出会いは突然に １

ケセドニア視察
一応ジョゼットの姐さんも髪の色は変えてますし私服です
偽名を使うとかどうしようとか考えていたけど
まぁ細かいことは気にしない方向で（爆）

太陽がさんさんと降り注ぎ、
オールドラント内で（いろいろな意味で）熱い街ケセドニア
二つの大国の間
ほぼ中心に位置するケセドニアでは貿易の拠点であり
それぞれの国の物は検査を受け、そして互いの国へと渡っていく
そんな街にレイラとルカ、
そして護衛にジョゼットが訪れていた
（もちろん数十名の白光騎士団もいる）


今回、レイラ達が訪れた理由はケセドニアの視察だ
ただあまり民に大袈裟にしてはいけない
ケセドニアの頭首と言ってもいいアスターに挨拶をした後、
レイラとルカは街へと足を運んだ
公になってはまずい為現在レイラとルカの髪は染められている
赤みがかった茶髪といったところだろうか
髪を染めて外に出られるのだから
自分も一緒に出られたのだとルカは思った
端から見たらちょっとしたいいとこの仲の良い姉弟に見えるだろう
（二人にはジョゼットが付いているが実際離れて私服の騎士団はいる）
ケセドニアには常に活気に満ちている街だ
だがその分闇も多く含んでいる
アスターもその闇にはほとほと困っていると漏らしていた


「やっぱりケセドニアは楽しいわね
皆、活気に満ち溢れているもの」

「ですがレイラ様、裏道には気をつけて下さいませ」

「そうだぜ姉上、
姉上はいつも自分からそういうのに突っ込むんだからさ」

「でも困っている方を見て見ぬフリはできないでしょう？」

「・・・うっ」

「・・・レイラ様、そういう場合は我々におっしゃって下さい
命がいくつあっても足りません」

「ごめんなさいジョゼット
でもほら、これが私ですから」


確かに困っている者を助けるのは当然のことだ
それを自ら進んでやるのも姉の美徳だ
けれども自ら厄介ごとに突っ込むのはやめてほしいと
ルカとジョゼットは揃って溜息をついたのだった
そんな願いは数時間もしないうちに砕け散るのだが・・・



「姉上、このアクセサリーとても綺麗だな
姉上に似合いそうだ」

「ありがとうルカ
こちらの髪飾りはジョゼットに似合いそうね」

「レイラ様・・・」

「ね、そう思わない？
あなた髪を纏めているでしょう
少しくらい装飾のついたのをつけていてもいいと思うわ」

「・・・ありがとうございます」


のほほんとしながら市場を回った後、木陰で休憩を取ることにした
木陰に入るとさんさんと照っているレムの光が遮られ
少し涼しく感じる


「姉上、俺が何か買ってくるよ」

「ルカ様・・・それなら私が」

「ん・・・でもなぁ」

「私なら一人でも大丈夫よ？」

「姉上一人にするとふらふらどっかに行きそうなんだよな」

「絶対ここにいますから
それに今は休憩したい気分だもの、ね？
ルカは今帯刀していないでしょう
それならジョゼットと一緒に行ったほうがいいわ
私なら万が一があっても譜術が使えるから大丈夫よ」

「・・・絶対そこから動かないでくれよ」

「・・・ですが」

「ジョゼット、姉上が頑固なの知ってるだろ？
だったらちゃっちゃと買って帰ってくるのが一番だよ」


弟だからだろう
姉の行動は結構わかっている
だからこそ一番これが最善だと思った


「・・・わかりました
レイラ様、絶対にそこから動かないで下さいね」

「大丈夫、ここで待っているわ」


飲み物を買いに出かけたルカとジョゼットを見送り、
レイラはケセドニアを見渡す
子ども達は暑いのにも関わらず遊びまわり
行商人は品物を旅人らに物を勧める
ケセドニアは活気に満ちている
だからこそ、その闇も深い
アスターも手を打ってはいるもののなかなかなくならない
だからこそ今回レイラに視察をしてもらい
その状況を見て力を貸すかどうかの判断にきた
表向きはいい、だが闇を確かめるには裏に来なければならない
そんなところに行きたいと言ったらルカは迷わず却下するだろう
だが確認をしなければ仕事にはならない
戻ってきたら三人で行ってみようと相談してみるかと考えていた時だった
黒髪の若い、それなりに身なりのいい格好をした男が裏道に入ると同時に
その後ろから数人の男達がついていくのが目に入った
もしかしたらと思い、レイラはその場から離れる
頭の中にはルカとジョゼットの忠告はすっぽり抜け落ちていた




■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
実は続いちゃいます


08/02/09　夜人