どこのどいつださっさと吐け！

姉ネタでケセドニア後
置いてけぼりをくらった後のアッシュ視点で
家族馬鹿になったらこんくらいはしそうなイメージ

姉上とルカがケセドニアから帰ってきて数日
髭をいびり倒して帰国させて
姉上が帰宅してから気になることがあったので聞いてみることにした


「姉上」 

「何かしらアッシュ？」 

「一つ伺いたいのですが」 

「なぁに？」 


今は二人しかいない状況で、聞きたいことを聞くにはちょうどよかった
姉上と俺は屋敷内にある書庫にいる
姉上はルカに渡す為の本を探しているらしい
あいつ・・・それくらい自分でやればいいのに、と思ったが
多分姉上が善意でやっているのだろう
本当にどこまでも善人だ
（そこで何故か髭の顔が出たが気にしない　むしろ出てくるな）
話題から姉上に思考がズレていることに苦笑する
気を取り直して気になる内容を聞いてみることにした 


「最近その髪飾りをよく付けていますね」 

「ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいわ」 

「その・・・とてもお似合いなんですが、
ケセドニアで買われたのですか？」 

そう、以前はなかったのだ
どちらかというと少し華美な物が多い中でここまでシンプルなのは珍しい
シンプルという言葉を使ったが実際それは高価な物だろう
人の指くらいの大きさの翡翠をメインにし、両端を金の金具で止めている
金具には小さいながらも宝石が散りばめてあり、
それを通している紐は姉上の髪で大半隠れているが高いものだろう
そんな高価な物を姉上は進んで買ったりはしない
貰うにしても家族くらいだ
ルカがケセドニアで姉上にプレゼントしたとも考えたが
あいつにそんなセンスはない、断言してもいい
姉上の言葉を待っていたが返ってきた言葉に固まった 


「ちょっと素敵な方にね、助けたお礼に頂いたのよ」 


瞬間きゅっと眉間の皺がこれでもかと寄るのがわかった
（それが少なからず父上に似ているのだというのだからショックだ）
しかもなんだ、今の姉上の顔は！
頬を少し染めてまんざらではなさそうな感じで！！ 
言いたいことはたくさんあるが姉上に怒っても仕方がない
ぐんぐんと上がる怒りを無理矢理理性で押さえ付ける 


「・・・そうですか」
 
「アッシュ？」 

「・・・少しルカのところに行って参ります
用事を思い出したので」 

姉上に聞いたとしても笑ってはぐらかされるのがオチだとわかる
ナタリアならどんどん突っ込んでいくのだろうが
あいにく俺はそのような性格ではない
（こんなこと思っているのがナタリアにバレたら半殺しにされるな・・・） 
なら聞くとしたら片割れで一緒にケセドニアへ行ったルカだ
ジョゼット・セシルも一緒に護衛に行ったと言っていたが
あまりそういうことは教えてくれなさそうだし
何よりも聞きに行く気はさらさらない 
だがルカなら双子の弟であるあいつなら知っているだろう 
そして少なくとも俺の片割れなら説明できるだろう、いやさせる
姉上はきょとんと不思議そうな顔をしたが、いつもの微笑みに戻る 


「そう？あ、用事が終わったらルカに来るよう伝えてくれる？
あなたにお勧めの本が見つかったわって」 

「えぇ、伝えておきます　それでは姉上」 


姉上のいる書庫から出ると目指すはルカの部屋
洗いざらい全部吐かさせてもらうつもり満々だ
眉間の皺もいつもの数倍は刻まれていようが、
メイドや騎士団が驚いた顔をしていようが関係ない
バン！と思いきり扉を開け放つと驚いた間抜けな顔をしている弟の姿 


「ア、アッシュ？」 

「ルカ・・・姉上に髪飾りを送ったヤツが誰か教えろ・・・！！」 



どこのどいつださっさと吐け！ 



その後小一時間問い詰めてやり
男の容貌と名前はわかったが、知った場所はケセドニア
そうそう捜せるわけがないので
今度からそういうヤツを近寄らせないようにしろと強く言っておいた
（若干泣きそうな顔をしていたのは無視だ無視！！） 

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こうやって邪魔者は排除していくアッス
ルカは嫌そうな顔はするけれどそこまで手は回さない感じ
しかも下手すれば懐くという犬っぷりなイメージ