しっかりしろよ、前を向け

３人がぶっ飛ばされた後の屋敷内の小話
やたらガイ哀れ
アッスは表面上冷静でも内面めっさおろおろ

アッシュの双子の弟と姉、そして襲撃犯が屋敷から消えた
父クリムゾンによってヴァンは捕らえており
アッシュは屋敷内だけだが姿を公にしていた

まったくもって信じられない出来事である
襲撃犯は謡将の妹であるということがわかり
妹は兄である謡将を狙って屋敷に侵入したらしい
喧嘩をするならば自宅がダアトでやれと声を大にして言いたい
謡将は自分の責任でもあるというので
捜索隊に入れてほしいと言っているが
何を馬鹿なことをという感じである
共犯者かもしれないのにそのようなことを抜かすとはどういうことか
ましてや屋敷に訪れた内容が行方不明になった導師捜索である
そっちの件がなくなったわけではないだろうと突っ込みたい
元々怪しいと疑っていた人物である
ここぞとばかりに捕らえることができたのはありがたいが
何分リスクがでかかった
アッシュは表だって外に出られない
（現在はルカが『ルーク』として誘拐されてしまったのだから）
なので自分の代わりに弟と姉を探すのを頼む為
とある人物の部屋へと向かっていた



扉をノックしようとした時だ
何やら扉の向こう側で言い争いというか何かを引き留める声が聞こえる
また誰か侵入したのかと思い慌てて扉を開くと
そこには顔を真っ青にし、剣で腹をぶっ刺そうとしているガイと
それを必死に宥めているペールの姿であった


「・・・何をしている」

「アッシュ様！！」

「何をしているんだ・・・ガイ」


アッシュの姿にペールのほっと息を吐くのが見えた
どうやら外出して帰ってきたガイはずっとこのやり取りをしていたようだ


「俺・・・俺・・・
クリムゾン様やシュザンヌ様になんて言えばいいのか・・・
父上にも母上にも姉上にも顔向けできない・・・
ほんと、アイツ、なんでこんなこと
さっさと切っておけばよかったのか？
俺か？俺のせいなのか・・・！？」

「えぇい！鬱々するなあぁぁぁ！！！」

「へぶっ！！」


ぶちりとアッシュの中で何かが切れた後
頭にキノコが生えるのではないかというくらい
凹んでいるガイに踵落としを食らわす
すばらしい勢いで落とされた足は
ごきゃっという鈍い音と共にガイの頭に落ちる
公爵子息としてあるまじき言葉づかいにはこの際目を瞑っておこう


「俺の代わりにルカと姉上を捜しに行け！
いつまでうじうじしている！！」

「あ、アッシュ様・・・」

「なんだペール！」

「・・・気絶しております」

「こ、こんの屑がぁああぁぁぁあああぁ！！」


打ちどころが悪かったのかガイは白目を向いて気絶していた
さらにアッシュがキレたのは言うまでもない




しっかりしろよ、前を向け




ルカとレイラの捜索隊の隊長に任命されたジョゼット・セシルが
アッシュを捜しに来るまでそんな悪循環なやり取りが続いていたのは
ここだけの話である

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なんだかんだで冷静でないアッスと
（一応）家臣になるヴァンが本当に馬鹿やっちゃって鬱ってるガイ
捜索隊の隊長にジョゼットの姐さん
それに私服の白光騎士団数名にガイさんで行ってもらいます
でもこれ出発する前にガイの体力瀕死状態ですな

2008/02/21　夜人