さぁ、幕を下ろそうじゃないか！

逃亡ルクでの小話
ルーク→ノーネ
アッシュ→『ルーク』
そんな表示で

逃亡生活を始めてもう７年
逆行をし始めた時から数えるともう何年になるのかわからない
今回は目覚めたのがコーラル城だったので
製造装置を破壊してから逃げ出した
その後はケセドニアのギルドで働き始めてそこそこ仕事をもらっている
ギルドに登録する時名前なんて思い付かなかった
だって俺は『ルーク』の劣化品で、レプリカで・・・
居場所はもちろん名前も貰ってもいけないと思うから
だからノーネームって名乗った
名前も存在も認められない罪の塊にはお似合いだ
ギルド仲間のおじさんらは眉間に皺を寄せてはあまりいい顔をしなかったけど
フルネームではなく愛称のノーネで納得してもらった 


傭兵なんて仕事をしていると地方を回るものだから情報量も半端ない
キムラスカにマルクト、それにダアト
世界中の情報がケセドニアに集まる
だからこそアクゼリュス崩落の噂も早かった


俺は迷っていた
今まで巡った時空でいつも罪が生まれた街
レプリカだと自覚した日
今回は日だまりの場所も名前も奪ってはいない
ただ酷く気になった
かつてアッシュと名乗らざるえなかった本物の焔の光がどうなったのか
屋敷に戻ったという話は聞いていた
自分のようなヘマはしないだろう・・・が酷く気になる
フォンスロットも開いていないし、開いていてもこちらからはどうしようもない
様子だけ見て去ることにし、俺はユリアシティに足を向けた 


ユリアシティの入口付近に身体を隠す
幸いなことにたまたま居た場所が近かったからかすぐに来れた
近くではタルタロスが停止しようとしているところだ
タルタロスからアクゼリュスの民は降りてくる気配はない
やっぱりあの状況で住民は助けられなかったのかな 
扉が開いてしばらくしてからかつての仲間が降りてきた
ジェイド・ティア・ガイ・アニス・イオン・ナタリア
ただいつまで経っても『ルーク』は降りて来ない
仲間がユリアシティの入口に差し掛かるくらいにやっと降りて来た赤毛が見えた


誰だ・・・あれは・・・・・


脳裏に過ぎった言葉
かつて見た焔は顔は蒼白し、足元が覚束ない
あれだけ輝いていた焔が今は灯ではないか・・・！
ミュウはティアに抱かれているらしく本当に一人の状態だ
仲間は気にかけようともせず進み俺の横を気付かずに通り過ぎる
その時、仲間が言っていた言葉が断片的に耳に入る
「落とした」「あいつの」「罪」
その言葉はかつての自分に投げ掛けられた言葉の断片
再度『ルーク』に目を向ける
そうか・・・と気付く
あそこにいるのはルーク
あそこにいるその姿はかつての自分なのだと
今なら世間を知っている
それは何回も時間を巡ったから
ならば外の世界を経験していない『ルーク』に戻ったアッシュは
俺の昔と一緒ではないだろうか
今なら分かる
この状態がどんなものなのか
頭の片隅でパキンと何かが砕ける音がした 



さぁ、幕を下ろそうじゃないか！ 



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気付いたら逃亡→断罪フラグが経ったオチ
こんな感じじゃなかったんだけどなぁ；
この分だとアッシュ（ルーク）と仲良くなりそう


08/02/04　夜人